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産学官の集積による健康まちづくり

国立循環器病研究センター

国立研究開発法人 国立循環器病研究センター 理事長 大津欣也

 2021年4月1日付で国立循環器病研究センター理事長を拝命しました大津欣也です。 当センターは1977年7月に開設された、脳卒中と心臓病の専門的治療と研究を行う世界有数の施設です。私は、当センターが産声を上げた1977年に大阪大学医学部に入学し、医学の道を歩み始めました。その後、2012年に英国キングスカレッジロンドン循環器内科教授に就任し、ヨーロッパの医療向上に努力するとともに、日英の懸け橋として研究や人材交流の推進にも取り組みました。この度、当センターの理事長に任命され、日本の循環器医療、そして健都の発展に貢献できる喜びと責任を感じております。

 当センターは、2019年に新しくこの健都に移転し、一つ屋根の下に「病院」「研究所」と、企業・大学と共同研究を行う「オープンイノベーションセンター」を集約した、世界レベルの医療研究機関として、新たなスタートを切りました。病院には、ハイブリッド手術室を4室設置するほか、ガンマナイフなどの最新機器を整備しており、研究所では最先端の研究を行っています。オープンイノベーションセンターでは、「オープンイノベーションラボ」などを整備し、企業・研究機関等との共同研究を推進しています。

 健都では、健康・医療に関する様々な施設が完成し、健都イノベーションパークへの企業集積が進むなど、まちとしての姿が整ってきました。この健都が、医療クラスターとしてさらに飛躍するためには、企業・大学・研究機関等の知識・技術・人材を結集してイノベーションを起こしていく仕組みを、健都全体で作り上げることが重要です。

 健都における、国循を核とした医療クラスター形成の基本理念は「循環器病の予防と制圧」の拠点を目指すこと、オープンイノベーションにより最先端医療・医療技術の開発で世界をリードすること、そして、国際級の複合医療産業拠点(医療クラスター)を形成することです。当センターでは健都の核となる機関として、オープンイノベーションセンターが中心となり、健都ならではの多様な取組みを進め、健都が健康寿命の延伸で世界をリードするモデル地区となることに貢献してまいります。皆さまのご協力を宜しく御願いいたします。

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